自社の採用単価が「高い」のか「妥当」なのか。比較対象がなければ、判断のしようがありません。コネクトが支援した四国地方の介護施設では、支援前の採用単価は約400万円/名でした。それが求人媒体の運用改善で約70万円/名まで下がっています。本記事では、職種別・チャネル別の採用単価の相場を公的データで確認し、単価が高いときの見直しポイントを解説します。
1. 採用単価の相場は「チャネル」で決まる

採用単価は職種だけで決まるものではありません。どのチャネルで採ったかによって、同じ職種でも数倍の差が出ます。まずチャネルを分けて見ることが出発点です。
| チャネル | 1人あたりの目安 | 母集団・性質 |
|---|---|---|
| 公的平均(厚労省・令和5年度) | 看護63.9万/保育64.6万/介護55.1万 | パート込みの混在・全国平均 |
| 人材紹介エージェント(常勤ベース) | 看護・保育80〜100万/介護89万(常勤・一次未確認) | 理論年収の約20〜35% |
| 求人広告のみの中途採用 | 約31.2万円(マイナビ調査) | 自社で応募を集める前提 |
中途採用全体では1人あたり103.3万円というデータもあります(就職白書2020)。紹介手数料の根拠は厚生労働省の職種別手数料率(令和5年度:看護21.6%/保育24.3%/介護20.2%)出典PDF。
2. 職種ごとの「採りにくさ」が単価を押し上げる

同じチャネルでも、職種によって単価は変わります。押し上げる要因は主に3つです。
- 市場の母集団が小さい(有資格者が少ない職種ほど、クリック単価も紹介手数料も上がる)。
- 有効求人倍率が高い(売り手市場では、求職者が複数社を比較して選ぶため決まりにくい)。
- 紹介経由の比率が高い(紹介が主流の職種は、そもそも単価の高い前提で市場が動いている)。
たとえばドライバー職は、紹介経由の比率が低い(約4.7%)という特徴があります。そのため紹介の相場データが取りにくく、理論年収の30〜35%から推定すると1人あたり135〜168万円程度【推定】となります。一方で、求人媒体での応募が見込みやすい職種でもあります。
逆に、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は、媒体運用ではクリック単価が高騰して費用対効果が出ません。この場合は媒体に無理に寄せず、紹介や専門媒体を併用するのが現実的です。
3. 単価は「かけ方」で桁が変わる:支援事例

ビフォーアフター:採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名
| コネクトの支援先:四国地方の地方都市の介護施設(施設看護師・介護士/正社員) |
| Before(導入前):年400万円規模の求人費で応募6件・採用1名。テレビCM300万円・お祝い金100万円を投じても採用ゼロ。地域の介護の有効求人倍率は約3.6倍。 After(媒体運用の改善後):採用LP・動画・求人原稿を作り直しIndeedを運用。応募が月1件から月2〜3件へ継続発生し、運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。 |
成功したポイント
- 相場の1.5倍の給与(看護36.2万円〜/介護32.6万円〜)と保育園完全無料という強みを、求職者に伝わる形で可視化した。
- 看護師と介護士でターゲットを分け、原稿を作り分けた。
- 採用LPと動画で施設の中身を見せきり、検討材料を増やした。
さらなる伸び代:介護は売り手市場で人材紹介が主流の領域のため、媒体運用だけで全ての枠を埋めるのは容易ではありません。成果報酬型の求人サイトの併用や、定着施策(受け入れ体制・評価制度)まで踏み込めば、まだ伸ばせる余地があります。
低単価の事例も紹介します。地方都市の老舗眼鏡小売店(接客販売/正社員)では、媒体への広告費 月1万円のみで応募が毎月発生し、有料広告費ベースの採用単価は約6.8万円でした。個人経営のコーヒー専門店(アルバイト・パート)では、媒体への広告費 ¥18,973で採用1名、採用単価は約1.9万円です。
4. 採用単価が高いときの見直しポイント

- チャネル別に単価を分けて出す(紹介・媒体・自社応募をまとめて平均すると、原因が見えなくなります)。
- 紹介比率の高い職種のうち、母集団が一定ある職種を媒体運用へ寄せる。
- 求人原稿を「どんな人が自社に合うか」から作り直す(給与を上げる前に、まずここです)。
- 職種名を、求職者が実際に検索する言葉に変える。
- 職場の写真・現場情報を揃える(素材があるほど、同じ応募数を得るための広告費が下がります)。
- 応募後の対応スピードを上げる(求職者は3〜5社に同時応募するのが標準です)。
5つ目は具体的な差になります。コネクトの支援先では、職場写真と現場情報が十分に得られた案件は媒体への広告費 5万円で応募35件でしたが、勤務地が出向先で素材が乏しかった案件は広告費 25万円で応募17件でした。素材の有無が、そのまま広告費に跳ね返ります。
まとめ
採用単価の相場を見るときの要点です。
- 職種よりチャネルで決まる:人材紹介(理論年収20〜35%)と求人広告では、単価の桁が変わる。
- 採りにくさが単価を押し上げる:母集団の小ささ・有効求人倍率・紹介依存度の3つ。
- 母集団が極小の職種は媒体に向かない:医師・1級施工管理技士などはクリック単価が高騰する。
- 単価は「かけ方」で桁が変わる:支援事例では約400万円/名から約70万円/名まで改善。
- 素材の有無が広告費に直結する:写真・現場情報が揃うほど、同じ応募数を安く得られる。
まずはチャネル別・職種別に単価を分けて出してください。原因が特定できれば、打ち手は決まります。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは媒体運用型の採用支援です。求人原稿の作成とIndeed・Airワークの運用(応募集めまで)を担当し、応募者への連絡・面談は貴社で実施いただきます。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はかかりません。まずは現在の採用単価を一緒に見える化しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 採用単価の相場はいくらですか?
A. チャネルによって大きく異なります。人材紹介エージェント(常勤ベース)では看護・保育で80〜100万円、公的平均(厚労省 令和5年度)では看護63.9万円・保育64.6万円・介護55.1万円。求人広告のみの中途採用では約31.2万円という調査もあります。
Q. 自社の採用単価が高いか判断するには?
A. チャネル別・職種別に分けて算出してください。紹介・媒体・自社応募をまとめて平均すると、どこが高いのかが見えなくなります。紹介比率が高い職種があれば、それが単価を押し上げている可能性が高いです。
Q. 採用単価を下げるには何から始めますか?
A. 母集団が一定ある職種を媒体運用へ寄せ、求人原稿を「どんな人が自社に合うか」から作り直すことです。あわせて職種名の見直し、職場写真の追加、応募後の対応スピード改善が効きます。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方)