採用コストの内訳を可視化|ムダを見つけて削減する方法

採用コストの内訳を可視化|ムダを見つけて削減する方法

「採用にいくら使っていますか?」と聞かれて、即答できる中小企業は多くありません。請求書はバラバラの部署・バラバラの時期に届き、社内工数は数字にすらなっていないからです。コネクトが支援した四国地方の介護施設では、コストを分解したうえで求人媒体の運用を改善し、採用単価を約400万円/名 → 約70万円/名まで引き下げました。削減の第一歩は、内訳を可視化することです。本記事では、採用コストの内訳と可視化の手順を解説します。

1. 採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」に分かれる

1. 採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」に分かれる

採用コストは大きく2つに分けて捉えます。多くの企業が把握しているのは外部コストだけで、内部コストは可視化されていません。

区分含まれるもの把握のしやすさ
外部コスト求人媒体の掲載費・広告費、人材紹介の手数料、採用代行の手数料、採用サイト・LP制作費、求人票の撮影費請求書があるので把握しやすい
内部コスト求人票(求人原稿)を書く時間、応募者対応、日程調整、面接、選考会議にかかる担当者・面接官の人件費数字になっておらず、見落とされやすい

内部コストは「時給換算 × 時間」で概算できます。たとえば面接官2名が1時間の面接を10回行えば、それだけで20時間分の人件費です。ここを見ないと、「安く見える手段が実は高い」という判断ミスが起きます。

内部コストのなかでも見落とされやすいのが「求人票(求人原稿)を書く時間」です。どんな人に来てほしいかの整理、訴求の言語化、写真の準備まで含めると、1媒体分でもまとまった工数になります。ここは外部化しやすい部分で、原稿作成を委託すれば、この内部コストを直接圧縮できます。

2. 外部コストの内訳:チャネル別の1人あたり単価

2. 外部コストの内訳:チャネル別の1人あたり単価

外部コストは、チャネルごとに1人あたりの単価がまったく違います。以下は公的データ・調査データによる目安です。チャネルと母集団の性質が違うため、単純な優劣比較ではなく「性質の違い」として見てください。

チャネル1人あたりの目安備考
公的平均(厚労省・令和5年度)看護63.9万/保育64.6万/介護55.1万パート込みの混在・全国平均
人材紹介エージェント(常勤ベース)看護・保育80〜100万/介護89万(常勤・一次未確認)理論年収の約20〜35%
求人広告のみの中途採用約31.2万円(マイナビ調査)自社で応募を集める前提

中途採用全体の1人あたり採用単価は103.3万円というデータもあります(就職白書2020)。紹介手数料の根拠は厚生労働省の職種別手数料率(令和5年度:看護21.6%/保育24.3%/介護20.2%)出典PDF

3. 可視化の手順:5ステップ

  1. 直近1年の外部コストを、媒体費・紹介手数料・代行手数料・制作費に分けて集計する。
  2. 内部コストを「関与した人 × 時間 × 時給」で概算する(求人作成・応募対応・面接)。
  3. 職種別・チャネル別に、採用人数で割って「1人あたり採用単価」を出す。
  4. 単価が突出して高いチャネル・職種を特定する(多くの場合、人材紹介です)。
  5. そのチャネルを、媒体運用で代替できるかを職種ごとに判定する。

5つ目の判定基準はシンプルです。母集団が一定ある職種(介護・保育・ドライバー・飲食・製造・販売・建設の現場系など)は媒体運用で応募が見込めます。逆に医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は、クリック単価が高騰して費用対効果が出ません。

4. ムダはどこに潜むのか:支援事例

4. ムダはどこに潜むのか:支援事例

ビフォーアフター:採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名

コネクトの支援先:四国地方の地方都市の介護施設(施設看護師・介護士/正社員)
Before(導入前):年400万円規模の求人費で応募6件・採用1名。テレビCM300万円・お祝い金100万円を投じても採用ゼロ。地域の介護の有効求人倍率は約3.6倍。

After(媒体運用の改善後):採用LP・動画・求人原稿を作り直しIndeedを運用。応募が月1件から月2〜3件へ継続発生し、運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。

この施設のムダは「金額」ではなく「かけ方」にありました。テレビCMやお祝い金という大型施策に予算を投じても、求人原稿が求職者に届いていなければ応募にはつながりません。

成功したポイント

  1. 相場の1.5倍の給与(看護36.2万円〜/介護32.6万円〜)と保育園完全無料という強みを、求職者に伝わる形で可視化した。
  2. 看護師と介護士でターゲットを分け、原稿を作り分けた。
  3. 採用LPと動画で施設の中身を見せきり、検討の材料を増やした。

さらなる伸び代:介護は売り手市場で人材紹介が主流の領域のため、媒体運用だけで全ての枠を埋めるのは容易ではありません。成果報酬型の求人サイトの併用や、定着施策(受け入れ体制・評価制度)まで踏み込めば、まだ伸ばせる余地があります。

5. 内訳を可視化したあとに打つ手

5. 内訳を可視化したあとに打つ手
  1. 紹介比率の高い職種を、媒体運用に寄せる。
  2. 求人原稿を「どんな人が自社に合うか」から作り直す(給与を上げる前に、まずここです)。
  3. 職場の写真・現場情報を揃える(素材があるほど広告費は下がります)。
  4. 応募後の対応スピードを上げる(求職者は3〜5社に同時応募するのが標準です)。
  5. 採用単価を毎月のKPIとして追い、効果の薄い出稿を止める。

まとめ

採用コストの内訳を可視化するときの要点です。

  • 外部コストと内部コストに分ける:内部コスト(人件費)は数字になっておらず、最も見落とされる。
  • チャネル別に1人あたり単価を出す:人材紹介は理論年収の20〜35%(中途60〜120万円)で、単価が突出しやすい。
  • 母集団のある職種は媒体運用へ寄せる:母集団が極小の職種は媒体では費用対効果が出ない。
  • ムダは「金額」でなく「かけ方」に潜む:大型施策より、求人原稿の設計が採用単価を動かす。

まずは直近1年分を分解するところから。数字にすれば、削るべき場所は自然に見えてきます。

人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。

ジョブコネクトは媒体運用型の採用支援です。求人原稿の作成とIndeed・Airワークの運用(応募集めまで)を担当し、応募者への連絡・面談は貴社で実施いただきます。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はかかりません。まずは現在の採用単価を一緒に見える化しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 採用コストの内訳にはどんな項目がありますか?

A. 外部コスト(求人媒体の広告費、人材紹介の手数料、採用代行の手数料、採用サイト制作費など)と、内部コスト(求人作成・応募者対応・面接にかかる人件費)に分かれます。内部コストは数字になっていないため、最も見落とされやすい項目です。

Q. どのチャネルの単価が高いですか?

A. 一般に人材紹介の単価が最も高くなります。理論年収の20〜35%が相場で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です。厚生労働省 令和5年度の職種別手数料率では、看護21.6%・保育24.3%・介護20.2%と報告されています。

Q. 内訳を出したあと、まず何をすべきですか?

A. 単価が突出しているチャネル・職種を特定し、それを媒体運用で代替できるかを判定します。母集団が一定ある職種であれば、求人原稿とターゲット設計を作り直すことで採用単価を下げられる可能性があります。

Q. 自社の業種でも効果は出ますか?

A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:採用コストを1/2以下に抑える成果報酬型採用支援の仕組み

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