「求人を出しても応募が来ない」「募集をかけ続けているのに若手が入ってこない」——建設業の採用では、こうした声が特に多く聞かれます。媒体を変えても状況が変わらず、打ち手が尽きたように感じている会社も少なくありません。コネクトが支援した地方都市の中堅建設会社では、別の求人代理店の原稿で応募ゼロが続いていた建築施工管理職が、原稿とターゲットを作り直しただけで応募3〜4件が発生する状態に変わりました。また大阪府の造園・伐採業では、有料広告費ゼロ(求人媒体の無料掲載のみ)で約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名という結果になっています。本記事では、建設業の採用が難しくなる市場構造を整理したうえで、若手・未経験を集めるための現実的な対策を、コネクトの支援事例とあわせて解説します。
1. 建設業の採用が難しいのは、努力不足ではなく市場構造が理由

応募が来ない状態が続くと、原稿の書き方や媒体選びを疑いたくなります。ただ建設業の場合、その手前に市場そのものの事情があります。主に次の3つです。
- 有資格者の母数がそもそも薄い:施工管理技士のような資格職は、市場に存在している人数自体が限られます。募集をかけても、その求人を探している人が少ない状態です。
- 少ない有資格者を大手と奪い合う:限られた有資格者を大手建設会社やデベロッパーと取り合うため、給与面で競合しやすくなります。
- 未経験層は仕事のイメージで検討を止める:「危なそう」「きつそう」という漠然としたイメージが先に立ち、仕事の中身を知る前に候補から外れてしまいます。
「有料広告の予算を組んでも消化しきれない」という現象は、この母数の薄さがそのまま数字に出たものです。コネクトが支援している地方都市の中堅建設会社の建築施工管理職でも、継続配信中の広告は予算¥327,000に対して消化率が約40%にとどまっています。運用の巧拙ではなく、そもそもクリックできる人が市場に少ない、ということです。
2.「有資格者を採る」と「若手・未経験を採る」は別の戦い方になる

建設業の採用を「難しい」と一括りにすると、打ち手を間違えます。狙う層によって、市場の状況も現実的な打ち手も変わるためです。
| 狙う層 | 市場の状況 | 現実的な打ち手 |
|---|---|---|
| 施工管理などの有資格者 | 市場に存在する人数が限られ、大手と給与で競合する。反応が積み上がるまで1年以上かかることもある | 給与ではなく仕事内容の違いを言語化し、現在の環境に不満を持つ層へ絞る |
| 現場作業などの若手・未経験 | 母数は比較的厚い。ただし無差別に集めると、合わない応募が増えて対応コストが膨らむ | 自社に合う人の条件を具体化し、未経験特有の不安を先回りで解消する |
| 1級施工管理技士など母集団が極小の職種 | 検索する人が極端に少なく、クリック単価が上がりやすい | 媒体運用の対象外として切り分け、媒体以外の手段と組み合わせて検討する |
コネクトでは、1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用の対象外としています。費用対効果が出にくい領域に無理に広告費を投じても、広告費が消えるだけだからです。若手を増やしたいのであれば、母数のある未経験市場に軸足を置くほうが現実的です。
一方で、資格を必須としない現場作業員・施工補助・重機オペレーター・土木作業などは母数が比較的厚く、媒体運用の射程に十分入ります。建設業全体が媒体運用に向かないわけではなく、「どの職種で戦うか」を分けることが出発点です。
3. 応募ゼロが続いた施工管理職で、応募が動き出すまで

ここからはコネクトの支援先の実例です。まずは有資格者側、地方都市の中堅建設会社(創業100年超の地域密着型ゼネコン)の建築施工管理職のケースです。
ビフォーアフター:別代理店時代は応募ゼロが継続 → 新原稿投入後は応募3〜4件。新原稿を投入した月はCTRが2%前後から3.30%へ改善。
| コネクトの支援先|地方都市の中堅建設会社/建築施工管理(正社員) |
| Before(導入前):別の求人代理店が作成した原稿で運用していたが、有料広告を投下しても応募ゼロが続いていた。原稿は福利厚生の良さや地域での施工実績といった会社目線の情報が中心で、誰に向けた求人かが設計されていなかった。予算を組んでも消化しきれない状態だった。 After(媒体運用の改善後):現場ヒアリングを起点に原稿とターゲットを作り直し、応募が発生する状態へ。前期(新原稿投入期)の有料広告は表示6,273・クリック133・CTR2.12%・応募3件、媒体への広告費は利用済み¥172,515(応募単価¥57,505)。採用は選考・検証中。 |
この事例で成功したポイントは、次の3点です。
- 現場の施工管理者へのヒアリングから、給与や福利厚生ではなく「中間規模の建築を一人で回せる」という仕事内容の強みを掘り当てた。
- 「大手は役割が細分化して現場全体を見られない」「小規模は大型案件を受けられない」という双方の不満を裏返し、自社のポジションを言語化した。
- 母数の薄い市場だからこそ、大企業や小規模事業者で不満を抱える人など、実在していて転職ニーズがある層へ対象を絞り込んだ。
さらなる伸び代としては、採用成立までの道のりが残っています。ただしこれは運用の優劣ではなく、有資格者が市場に薄く大手と給与で競合するという前提に起因するものです。給与・条件の見直しまで踏み込めば、さらに伸ばせる余地があります。
4. 有料広告費ゼロで応募10件・採用2名|若手・未経験を集めた設計

若手を増やしたい会社に最も参考になるのが、同じ現場系であるコネクトの支援先、大阪府の造園・伐採業(社員5名以下)の事例です。
ビフォーアフター:過去は大手系媒体への数十万円の単発出稿のみ → 有料広告費ゼロ(無料掲載のみ)で約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名。有料広告費ベースの採用単価は実質¥0。
| コネクトの支援先|大阪府の造園・伐採業/伐採作業スタッフ(正社員・未経験向け) |
| Before(導入前):過去は大手系の求人媒体に数十万円かけて単発出稿した程度で、継続的な採用活動の経験がなかった。経験者は他社との条件競争にさらされており、媒体への広告費をかけない無料枠での獲得は難しい状況だった。 After(媒体運用の改善後):未経験ターゲットへ方針転換し、求人原稿とバナー画像を新規制作。求人媒体の無料掲載のみで、約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名。事務所の徒歩圏内エリア・20代の求職者からも応募が集まった。 |
この事例で成功したポイントは、次の4点です。
- 経験者は条件競争になり無料枠では採れないと早期に見切り、設計しだいで勝てる未経験市場へ振り切った。
- 求人原稿の本文では書きづらいエリアと年齢の絞り込みを、バナー画像の中で訴求して対象者に届けた。
- 実際に扱う伐採の規模感や業務の中身を具体的に書き込み、未経験者が入社後の仕事をイメージできるようにした。
- 「自分にもできるのか」「危なくないか」という不安を原稿内で先回りして解消し、あきらめる層を取りこぼさないようにした。
広告費の多寡ではなく、原稿・画像・ターゲット設計が採用の成否を分けることを示す事例です。若手・未経験を狙う建設会社にとっては、こちらのほうが再現しやすい型と言えます。
5. 建設業で若手を集めるために見直したい5つのこと

- 狙う層を「有資格者」と「若手・未経験」に分け、求人そのものを別々に作る。
- 自社に合う人・合わない人の条件を言語化し、原稿に具体的に書く。
- 仕事内容の解像度を上げる(扱う案件の規模、1日の流れ、チーム体制、使う設備)。
- 未経験が抱く不安(危険・技術・教育体制)を先回りして原稿内で解消する。
- 写真や現場情報などの素材を提供する。素材の量は応募効率をそのまま左右する。
求職者は3〜5社へ同時に応募するのが標準です。応募が入ってからの連絡スピードも、そのまま採用数に効いてきます。原稿の改善とあわせて、応募後の初動を社内で決めておくことをおすすめします。
6. 費用のかけ方|課金タイミングで費用対効果の読みやすさが変わる
採用支援サービスの成果報酬は、どの時点で課金されるかによって性質が大きく異なります。人材紹介は採用が決まった時点で課金する形が主流で、近年は求人用SNSの運用などとあわせた応募課金型のサービスも増えています。
| 課金タイミング | 費用が発生する時点 | 費用対効果の読み方 |
|---|---|---|
| 応募課金 | 応募が入った時点 | 要件に合わない方の応募にも費用が発生し、費用対効果が読みにくい |
| 面談着座課金 | 書類選考を通過し、面談に着座した時点 | 選考が進んだ候補者にのみ費用が発生するため、質と費用のバランスを取りやすい |
| 採用課金 | 採用が決まった時点 | 1件あたりの単価が高くなりやすい。人材紹介で主流の形 |
建設業のように資格・免許・体力条件など要件がはっきりしている職種では、条件の合わない応募も混ざりやすくなります。応募課金型ではその分にも費用が発生するため、費用対効果が読みにくくなりがちです。だからコネクトは、質と費用対効果を両立させる「面談着座成果報酬」という料金体系を採っています。
参考までに、人材紹介の手数料は理論年収の20〜35%が一般的で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です(出典:厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度 職種別手数料率)。これは手数料であり、社内工数まで含めた総コストとは別のものとして扱ってください。
媒体はIndeedとAirワーク 採用管理を軸に運用します。コネクトが担うのは応募を集めるところまでで、応募者への対応・面談はクライアントが実施し、面談着座の時点で費用が発生する仕組みです。
まとめ
建設業の採用が難しい理由と、若手を集める対策は次のとおりです。
- 難しさの正体:有資格者の母数の薄さと、大手との給与競合という市場構造にある。
- 狙う層で分ける:有資格者と若手・未経験は、市場も打ち手も別物として設計する。
- 対象外は正直に切る:1級施工管理技士など母集団が極小の職種は媒体運用に向かない。
- 若手は設計で採れる:支援先では有料広告費ゼロで応募10件・面談3件・採用2名。
- 伸び代は給与・条件:見せ方で応募は動かせる。その先は給与・条件の見直しでさらに伸ばせる。
「募集を出しているのに来ない」の多くは、狙う層と原稿の設計を変えるだけで動き出します。まずは自社が本当に採りたい層を一つに絞るところから始めてみてください。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。コネクトは「採れなければ費用ゼロ」の面談着座成果報酬で、人材紹介に頼らない採用を支援します。初期費用・月額固定費はかかりません。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。応募を集めるところまでを媒体運用でお手伝いし、応募者への対応・面談は御社で実施いただく形です。まずは現在の採用単価を一緒に見える化しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 建設業の採用はなぜ難しいのですか?
A. 施工管理技士のような有資格者は市場に存在する人数自体が限られ、その少ない母数を大手建設会社やデベロッパーと給与面で奪い合う構造にあるためです。有料広告の予算を組んでも消化しきれないことがあるのは、その表れです。一方、現場作業などの若手・未経験は母数が比較的厚く、原稿とターゲットの設計しだいで応募を集められます。
Q. 建設業で若手・未経験を集めるには何から始めればいいですか?
A. 有資格者向けの求人と分けて、未経験向けの原稿を別に作ることから始めます。自社に合う人の条件を具体化し、扱う仕事の規模感や1日の流れを書き、危険・技術・教育体制といった不安を先回りで解消するのが有効です。コネクトの支援先では、この設計で有料広告費ゼロ・約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名という結果になりました。
Q. 1級施工管理技士も求人媒体で採用できますか?
A. 母集団が極小の職種のため、コネクトでは媒体運用の対象外としています。検索する人が極端に少なくクリック単価が上がりやすいため、費用対効果が出にくいからです。無理に媒体へ寄せず、給与・条件の見直しやリファラルなど別の手段と組み合わせて検討することをおすすめします。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方)