倉庫スタッフは、繁忙期に合わせて複数名をまとめて採用する場面が多い職種です。1人あたりの単価が数万円変わるだけで、年間の採用費は大きく動きます。コネクトが支援した大阪府の印刷・製版会社では、現場ヒアリングをもとに原稿を作り直したことで有料広告費 ¥50,000 で応募35件・1面談で1採用(採用単価 ¥50,000)に到達しました。一方、同じ設計思想でも職場の素材が得られなかった案件では有料広告費 ¥250,000 を投じて応募17件・採用に至らずという結果でした。本記事では、倉庫スタッフの採用単価をどう計算し、どこを直せば下がるのかを解説します。
1. 倉庫スタッフの採用単価は、自社の実数で出す

庫内作業・ピッキング・仕分けといった職種は、公的機関が公表する職種別の採用単価データが限られます。相場を探すより、自社の実数を出すほうが判断に直結します。
採用単価 = その職種にかけた採用費の合計 ÷ 採用できた人数
採用費に含める項目は3つです。どれを含めるかを固定しないと、月ごと・拠点ごとの比較ができなくなります。
- 媒体への広告費:求人媒体に実際に支払った掲載費・クリック課金分。
- 採用支援サービスの費用:運用代行や成果報酬など、外部に支払った費用。
- 社内工数:求人作成・応募対応・面接調整にかかった時間を人件費換算したもの。
倉庫の採用では3が特に大きくなります。複数名を同時に採る場合、応募対応と面接調整だけで現場責任者の時間がかなり削られるためです。金額に換算しておくと、外部に任せる判断がしやすくなります。
2. まとめて採るときは「単価 × 人数」で効き方が変わる
1名だけの採用なら単価が数万円違っても影響は限定的です。しかし倉庫のように年5名・10名と採る職種では、単価の差がそのまま年間予算の差になります。
| 年間採用人数 | 採用単価 2万円の場合 | 採用単価 8万円の場合 |
|---|---|---|
| 3名 | 6万円 | 24万円 |
| 5名 | 10万円 | 40万円 |
| 10名 | 20万円 | 80万円 |
単価を1/4に下げれば、10名採用時の差は60万円です。倉庫の採用でまず着手すべきなのが単価の圧縮である理由がここにあります。
あわせて、繁忙期に合わせた採用では「いつまでに何名」という期限があります。期限が迫るほど広告費を積みたくなりますが、後述のとおり単価を決めるのは予算ではなく設計です。前倒しで原稿を整えておくほうが、結果的に安く早く採れます。
3. 同じ設計思想でも、素材の有無で広告費が5倍変わる

ビフォーアフター:求人経験がほぼ無く事実羅列の原稿 → 有料広告費 ¥50,000 で応募35件・1面談で1採用(有料広告費ベースの採用単価 ¥50,000)
| コネクトの支援先|大阪府の印刷・製版会社/現場オペレーター(正社員) |
| Before(導入前):求人を出した経験がほとんどなく、既存の原稿は業務内容の事実が並ぶだけでターゲットが設定されていなかった。 After(媒体運用の改善後):現場ヒアリングをもとに原稿を新規制作し、有料広告費 ¥50,000 で応募35件・1面談で1採用。別職種を含めた2職種では応募52件。有料広告費ベースの採用単価は ¥50,000。 |
成功したポイント
- 現場ヒアリングで、狙うべき人物像(現職の環境に不満を抱える中堅層)を具体的に掘り当てた。
- 安定した取引に支えられた働き方という、この会社ならではの魅力を訴求の軸にした。
- 職場の魅力を画像で見せきり、文章だけでは伝わらない部分を補った。
対照的なのが、同じ会社の別案件です。勤務地が出向先だったため職場写真も現場情報も十分に集まらず、有料広告費 ¥250,000(5倍)を投じて応募17件を得たものの、採用には至りませんでした。
素材が揃えば数万円台、欠けると数十万円規模――倉庫の採用単価も同じ構造です。庫内の様子・使用する機器・休憩スペース・スタッフの働く姿といった素材の提供量が、そのまま広告費に跳ね返ります。
4. 未経験を対象にすると、単価はさらに下がる余地がある

倉庫スタッフは資格を必須としない職種であり、母集団が大きいことが最大の強みです。経験者に絞ると条件競争になりますが、未経験を対象にすれば設計次第で単価を大きく下げられます。
ビフォーアフター:経験者は条件競争で無料枠では獲得困難 → 有料広告費ゼロ(無料掲載のみ)で約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名(有料広告費ベースの採用単価 実質¥0)
| コネクトの支援先|大阪府の造園・伐採業(社員5名以下)/伐採作業スタッフ(正社員・未経験向け) |
| Before(導入前):過去はリクルート系媒体に数十万円かけて単発出稿した程度。経験者は他社との条件競争にさらされ、広告費をかけない無料枠での獲得は困難だった。 After(媒体運用の改善後):求人媒体の無料掲載のみ(有料広告費ゼロ)で、約1ヶ月に応募10件・面談3件・採用2名。狙った通勤圏・年齢層から応募が集まった。 |
成功したポイント
- 経験者は無料枠では取れないと早期に見切り、設計次第で勝てる未経験市場に方針転換した。
- 本文では書きにくい通勤圏の絞り込みを、バナー画像にエリア名を明示して肩代わりさせた。
- 「自分にもできるのか」という未経験特有の不安を、原稿内で先回りして解消した。
- 合いやすい前職に寄せて書き、量ではなく合う人からの応募を集めた。
倉庫であれば「立ち仕事の経験がある」「もくもく作業が苦にならない」といった適性を言語化し、合う層に届ける設計が同じ効果を生みます。
5. 人材紹介を使った場合の水準と比べる
自社の単価が高いか安いかは、他チャネルと比べて初めて判断できます。人材紹介の手数料は理論年収の約20〜35%が一般的で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です(出典:厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度 職種別手数料率)。
倉庫スタッフのように母集団が大きく、求人媒体の運用で数万円台に収まりうる職種で、この水準を毎回支払う採用計画は現実的ではありません。年5名採用すれば紹介経由では300〜600万円規模になります。媒体で採れる職種は自社側に寄せる、という切り分けが総額に直結します。
外部の採用支援を使う場合は、料金の総額より「いつ費用が発生するか」を先に確認してください。
| 課金タイミング | 内容 | 発注側から見た特徴 |
|---|---|---|
| 応募課金 | 応募が発生した時点で費用が発生する。近年増えている料金体系。 | 要件に合わない方の応募にも費用が発生し、費用対効果が読みにくい。倉庫のように応募数が多い職種では特に膨らみやすい。 |
| 面談着座課金 | 書類選考を通過し、面談へ着座した時点で費用が発生する。 | 会う価値のある方に絞って費用が発生するため、質と費用対効果を両立しやすい。 |
| 採用課金 | 採用が決まった時点で費用が発生する。人材紹介で主流。 | 採用できなければ費用ゼロだが、1件あたりの単価が大きい。 |
コネクトが面談着座成果報酬という形をとっているのは、応募課金の「合わない応募にも費用が発生する」という弱点と、採用課金の単価の大きさの、どちらも避けるためです。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から、初期費用・月額固定費はかかりません。
6. 採用単価を下げる5つの手順

- 直近1年の採用費を、媒体への広告費・外部支援費・社内工数に分解する。現場責任者の対応時間も金額に換算する。
- 拠点別・職種別に採用単価を出し、年間の採用人数を掛けてインパクトの大きい順に並べる。
- 応募が集まらない求人を特定し、作業の中身・1日の流れ・体力面の実態・シフトの柔軟性を書き足す。
- 庫内・機器・休憩スペース・働く姿の写真を10枚以上集め、トップ画像を差し替える。素材の量が広告費に直結する。
- 繁忙期の3ヶ月前から原稿を整え、期限直前に広告費を積む状況を避ける。
1〜4は広告費を増やさずに実行できます。単価が高いと感じたら、まず予算ではなく原稿と素材を疑ってください。
まとめ
倉庫スタッフの採用単価を下げるポイントは次のとおりです。
- 自社の実数で出す:公的な職種別データが限られるため、採用費÷採用人数で算出する。社内工数も含める。
- 単価 × 人数で見る:まとめて採る職種は、単価の差がそのまま年間予算の差になる。
- 素材が広告費を決める:コネクトの支援実績では、素材が揃えば広告費5万円で採用、乏しいと25万円でも採用に至らなかった。
- 未経験を対象にする:資格不要で母集団が大きい職種は、設計次第で単価を大きく下げられる。
- 前倒しで整える:繁忙期直前に広告費を積むより、3ヶ月前に原稿を整えるほうが安く早い。
採用単価を決めるのは予算ではなく設計です。まずは庫内の写真を集めるところから始めてください。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは「採れなければ費用ゼロ」の面談着座成果報酬で、紹介料に頼らない採用を支援します。求人原稿の作成から求人媒体(Indeed・Airワーク等)の運用まで、応募を集めるところまでを担当します(応募者への対応・面談は御社で実施いただきます)。初期費用・月額固定費はかかりません。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。まずは現在の採用単価を一緒に見える化しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 倉庫スタッフの採用単価の相場はいくらですか?
A. 職種別の公的な公表値は限られるため、自社の実数で出すのが確実です。コネクトが求人媒体を運用した現場系職種の支援実績では、有料広告費ベースの採用単価は実質¥0(無料掲載のみ)から数万円台のレンジに収まっています。一方、職場の素材が乏しい案件では有料広告費25万円をかけても採用に至らなかった例もあり、条件によって幅が出ます。
Q. 繁忙期に向けて複数名を採るとき、何から準備すべきですか?
A. 期限の3ヶ月前から求人原稿と写真素材を整えることです。期限が迫ってから広告費を積んでも、原稿の設計が甘ければ応募は増えにくくなります。作業の中身・1日の流れ・体力面の実態・シフトの柔軟性を先に書き切っておくと、出稿してから採用までの期間が短くなります。
Q. 未経験者を採用すると、教育コストで結局高くつきませんか?
A. 教育の体制があるかで判断が変わります。倉庫スタッフは資格を必須としないため母集団が大きく、経験者の条件競争を避けられる分、採用単価は下がりやすくなります。ただし採用単価は「採用時点」の数字であり、定着まで含めた実質コストで比較することをおすすめします。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設の現場職・販売・飲食・物流・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくく向きません。ただし同じ業種でも、資格を必須としない現場作業員・施工補助・重機オペレーターなど母数のある職種は媒体運用の射程に十分入ります。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方)