募集は出している。給与も近隣の園と大きくは変わらない。それでも応募が来ない——保育現場の採用相談は、ほとんどがこの形です。コネクトが支援した介護施設(資格職・売り手市場という点で保育と構造が近い領域)は、相場1.5倍の給与を出しながら応募が年6件でした。原稿を作り直した結果、応募が月2〜3件へ継続発生するようになっています。条件が弱かったのではなく、伝わっていなかったのです。本記事では、保育士が採用できない原因と、人が集まる求人の作り方を解説します。
1. 「採用できない」原因を求人票から探す

保育士市場が売り手であることは事実です。ですが、応募ゼロの直接の原因は、たいてい求人票にあります。次のどれかに当てはまっていないか確認してください。
- どんな保育士に来てほしいのかが書かれていない:資格要件と勤務時間だけが並んでいる。
- 園の強みが見えない:持ち帰り仕事の有無、行事の規模、配置基準、書類業務の負担、残業時間、有給取得率が書かれていない。
- 写真がない:園の雰囲気が伝わらず、クリックされても応募に転換しない。
- 職種名が検索されない言葉になっている:そもそも表示されていない。
- 応募条件が厳しすぎる:経験年数・年齢の条件を重ねるほど、応募のハードルは上がる。
- 応募後の連絡が遅い:求職者は3〜5社に同時応募するのが標準。
2. 保育士が求人票で本当に見ているもの

保育士の転職動機は給与だけではありません。持ち帰り仕事の有無、行事の準備負担、配置基準の余裕、書類業務、残業、人間関係——働き方そのものに直結する条件が並びます。
つまり、給与で大規模法人に勝てなくても、「持ち帰り仕事なし」「行事を縮小した」「ICT化で書類負担を減らした」「配置基準に余裕がある」といった条件で選ばれる可能性があります。
まずは自園の条件を棚卸ししてください。他園と比べて1つでも勝っている項目があれば、それが訴求の核になります。強みは「無い」のではなく「見えていない」ことがほとんどです。
参考として、保育士の採用コストの目安です。公的平均(厚労省・令和5年度)は64.6万円、人材紹介エージェント(常勤ベース)は80〜100万円(理論年収の約20〜35%。令和5年度の職種別手数料率で保育24.3%。出典PDF)、求人広告のみの中途採用は約31.2万円という調査もあります(マイナビ)。
3. 参考事例:原稿を作り直したら応募が動いた

ビフォーアフター:応募 年6件・採用1名 → 応募が月2〜3件へ継続発生・累計51件・採用3名(採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名)
| コネクトの支援先:四国地方の地方都市の介護施設(施設看護師・介護士/正社員・高介護度) |
| Before(導入前):年400万円規模の求人費で応募6件・採用1名。テレビCM約300万円・お祝い金100万円を投じても採用ゼロ。地域の介護の有効求人倍率は約3.6倍。 After(媒体運用の改善後):採用LP・動画・求人原稿を作り直しIndeedを運用。応募が月1件から月2〜3件へ継続発生し、運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。 |
成功したポイント
- 相場1.5倍の給与と保育園完全無料という高待遇を、求職者が一目で分かる形に可視化した。
- 職種ごとにターゲットを分け、それぞれに刺さる原稿を作り分けた。
- 採用LPと動画で、現場の様子と働く人の雰囲気を見せきり、検討材料を増やした。
さらなる伸び代:採用3名のうち2名は早期に離職しています。売り手市場で人材紹介が主流の領域のため、媒体運用だけで全ての枠を埋めるのは容易ではありません。成果報酬型の求人サイトの併用や、受け入れ体制・評価制度といった定着施策まで踏み込めば、まだ伸ばせる余地があります。
4. 人が集まる求人の作り方:6ステップ

- 「合う人/合わない人」を書き出す。新卒か経験者か、ブランクあり歓迎か、どんな保育観の人が長く続いているか。
- 他園と比べて勝っている条件を1〜3個に絞る(持ち帰り仕事なし・行事の縮小・配置基準の余裕・ICT化・残業時間・有給取得率)。
- 職種名を、求職者が検索する言葉に変える(「保育士(持ち帰り仕事なし)」「保育補助(無資格・未経験OK)」など)。
- 見出し(最初に読まれる一行)に、月給とターゲットを明記する。「自分向けの求人だ」と数秒で分かる作りにする。
- 園の写真を撮る(園児が写らない角度で、保育室・職員室・スタッフの様子を)。スマートフォンで十分です。
- 応募後24時間以内に連絡する体制を作る。
予算はほとんどかかりません。広告費の増額や紹介会社の追加を検討する前に、この6つを終わらせてください。
5. 媒体の使い分けと、費用の考え方
汎用媒体(Indeed・Airワーク 採用管理)は母数が大きく予算調整もしやすい。保育特化の 保育士バンク は有資格者に直接届きます。強みが違うだけなので、併用が現実的です。
採用支援の料金体系は、課金タイミングで性質が変わります。人材紹介は採用課金が主流、2026年現在は求人用SNSの運用とセットにした応募課金型も増えています。応募課金型は、要件に合わない方の応募にも費用が発生するため、費用対効果が読みにくいという弱点があります。
コネクトはこの構造を踏まえ、書類選考を通過し実際に面談へ着座した時点で課金する「面談着座成果報酬」を採用しています(パート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はゼロ)。
まとめ
保育士が採用できないときの改善の要点です。
- 原因は求人票にあることが多い:市場のせいにする前に、原稿・写真・対応スピードを確認する。
- 保育士は給与だけで選んでいない:持ち帰り仕事・行事の規模・配置基準・書類負担・残業時間。
- 強みは「無い」のではなく「見えていない」:他園と比べて勝っている項目が必ずある。
- 職種名と写真:表示されなければ始まらない。写真のない求人は応募に転換しない。
- 24時間以内に連絡する:求職者は3〜5社に同時応募するのが標準。
求人票は今日直せます。給与や紹介会社の判断は、その後で構いません。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは媒体運用型の採用支援です。求人原稿の作成とIndeed・Airワークの運用(応募集めまで)を担当し、応募者への連絡・面談は貴園で実施いただきます。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はかかりません。
よくある質問(FAQ)
Q. 保育士が採用できない一番の原因は何ですか?
A. 求人票で「どんな保育士に来てほしいのか」と「園の勝っている条件」が伝わっていないことが最も多い原因です。持ち帰り仕事の有無、行事の規模、配置基準、書類業務の負担、残業時間といった、保育士が実際に見ている条件が書かれていないケースが目立ちます。
Q. 写真は必要ですか?
A. 必要です。写真のない求人は、クリックされても応募に転換しにくくなります。園児が写らない角度で、保育室・職員室・スタッフの様子を撮ってください。スマートフォンで十分です。
Q. 給与で大規模法人に勝てません。
A. 保育士は給与だけで園を選んでいません。「持ち帰り仕事なし」「行事を縮小した」「ICT化で書類負担を減らした」「配置基準に余裕がある」といった条件で選ばれる可能性があります。自園の条件を棚卸ししてください。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方)