求人を出しても応募が来ない。人材紹介に頼ると1人100万円近く飛ぶ。介護の採用は、この二重苦から抜け出せない構造になっています。コネクトが支援した四国地方の介護施設は、年400万円規模の求人費で採用1名という状態でした。そこから求人媒体の運用を立て直し、採用単価を約400万円/名 → 約70万円/名まで引き下げています。本記事では、介護の採用が難しい5つの理由と、今日から打てる対策を解説します。
1. 介護の採用が難しい5つの理由

- 有効求人倍率が高い(売り手市場)。地域によっては介護の有効求人倍率が3倍を超えます。1人の求職者を3施設以上で奪い合う状態です。
- 人材紹介が主流になっている。紹介手数料は理論年収の20〜35%(介護は令和5年度で20.2%)。採用人数に比例してコストが膨らみます。
- 求人原稿が「事実の羅列」で止まっている。給与・勤務時間・資格要件が並ぶだけで、どんな人に来てほしいのかが伝わらない。
- 施設の強みが求職者に届いていない。高待遇や独自の福利厚生があっても、それが求人票で見えなければ存在しないのと同じです。
- 応募後の対応が遅い。求職者は3〜5社に同時応募するのが標準。連絡が遅れれば、他施設に決まってしまいます。
紹介手数料の根拠は厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度の職種別手数料率です(介護20.2%/看護21.6%/保育24.3%。出典PDF)。
2. 「難しい」の正体は、市場か原稿か

5つの理由のうち、1と2は市場の構造です。すぐには変えられません。一方、3〜5は自社で今日から変えられます。
多くの施設は、変えられない市場のせいにして、変えられる3〜5を放置しています。実際に手を入れると、応募は動きます。
| 区分 | 内容 | 対応 |
|---|---|---|
| 変えにくい(市場) | 有効求人倍率の高さ、人材紹介が主流という業界構造 | 紹介と媒体を使い分ける。無理に片方へ寄せない |
| 変えられる(自社) | 求人原稿の設計、施設の強みの可視化、応募後の対応スピード | 今日から着手できる。まずここを終わらせる |
介護コストの目安も押さえておきます。公的平均(厚労省・令和5年度)では介護55.1万円、人材紹介エージェント(常勤ベース)では89万円(常勤・一次未確認)。求人広告のみの中途採用は約31.2万円という調査もあります(マイナビ)。
3. 支援事例:採用単価が約400万円から約70万円へ

| コネクトの支援先:四国地方の地方都市の介護施設(施設看護師・介護士/正社員・高介護度) |
| Before(導入前):年400万円規模の求人費で応募6件・採用1名。テレビCM約300万円・お祝い金100万円を投じても採用ゼロ。地域の介護の有効求人倍率は約3.6倍という売り手市場。 After(媒体運用の改善後):採用LP・動画・求人原稿を作り直しIndeedを運用。応募が月1件から月2〜3件へ継続発生し、運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。 |
この施設は、相場の1.5倍の給与(看護36.2万円〜/介護32.6万円〜)と保育園完全無料という、極めて強い条件を持っていました。にもかかわらず応募が来なかったのは、それが求職者に伝わっていなかったからです。
成功したポイント
- 高待遇(相場1.5倍の給与・保育園完全無料)を、求職者が一目で分かる形に可視化した。
- 看護師と介護士でターゲットを分け、それぞれに刺さる原稿を作り分けた。
- 採用LPと動画で、施設の中身と働く人の様子を見せきり、検討材料を増やした。
さらなる伸び代:介護は売り手市場かつ人材紹介が主流の領域です。媒体運用だけで全ての採用枠を埋めきるのは簡単ではなく、この施設でも採用3名のうち2名は早期に離職しています。成果報酬型の求人サイトを併用し、あわせて定着施策(受け入れ体制・評価制度)まで踏み込めば、まだ伸ばせる余地があります。
4. 今日から打てる5つの対策

- 「合う人/合わない人」を紙に書き出す。未経験可なのか、経験者に絞るのか。夜勤ありきなのか。ここを曖昧にしたまま募集しても、応募は増えません。
- 施設の強み(給与・休日・人員配置・研修・送迎・託児など)を、他施設と比べてどうかという視点で棚卸しする。
- 職種名を、求職者が実際に検索する言葉に変える(「介護スタッフ」「介護職員(無資格・未経験OK)」など)。
- 職場の写真を撮る。スマートフォンで十分です。利用者さんが写らない角度で、フロア・休憩室・スタッフの様子を。
- 応募後24時間以内に連絡する体制を作る。
この5つは予算をほとんど必要としません。給与を上げる前に、まずここを終わらせてください。
5. 媒体と紹介の使い分け

汎用媒体(Indeed・Airワーク 採用管理)は母数が大きく、予算調整もしやすいのが強みです。一方、介護特化の専門媒体(ジョブメドレー・カイゴジョブ(ウェルミージョブ)・キャリオスワーク)は、介護職を探している求職者に直接届きます。
どちらが良い・悪いではありません。強みが違います。自施設のターゲットに応じて使い分けてください。専門媒体の多くは成果報酬型で、初期費用・掲載費がかからないものもあります。
まとめ
介護の採用が難しい理由と、対策の要点です。
- 難しさの半分は市場構造:有効求人倍率の高さと、人材紹介が主流という業界構造。
- もう半分は自社で変えられる:求人原稿の設計、施設の強みの可視化、応募後の対応スピード。
- 強みは「伝わっていない」だけのことが多い:支援事例では、相場1.5倍の給与が求人票で見えていなかった。
- 給与を上げる前にやることがある:合う人の言語化・職種名・写真・対応スピードは予算不要。
- 媒体と紹介は使い分ける:無理にどちらかへ寄せず、専門媒体の併用も選択肢に。
市場は変えられませんが、求人票は今日変えられます。まずはそこからです。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは媒体運用型の採用支援です。求人原稿の作成とIndeed・Airワークの運用(応募集めまで)を担当し、応募者への連絡・面談は貴施設で実施いただきます。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はかかりません。
よくある質問(FAQ)
Q. 介護の採用が難しいのはなぜですか?
A. 有効求人倍率が高く(地域によっては3倍超)、人材紹介が主流でコストが膨らみやすい市場構造に加え、求人原稿が事実の羅列で止まっていて施設の強みが求職者に届いていないことが重なっています。前者は変えにくく、後者は今日から変えられます。
Q. 介護職の人材紹介の手数料はいくらですか?
A. 理論年収の約20〜35%が相場です。厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度の職種別手数料率では、介護は20.2%と報告されています。人材紹介エージェント(常勤ベース)では1人あたり89万円という数値もあります(常勤・一次未確認)。
Q. 給与を上げないと採用できませんか?
A. その前にやれることが残っています。コネクトの支援先には、相場1.5倍の給与という強い条件を持ちながら、それが求人票で伝わっていなかったために応募が来ていなかった施設があります。まずは強みの可視化・職種名・写真・対応スピードを見直してください。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方)