採用が決まるたびに数十万円から百万円超が出ていく。人材紹介をやめたいと考えるのは、ごく自然なことです。ただ、いきなり全部止めると採用が止まります。コネクトが支援した四国地方の介護施設は、依頼前は年400万円規模の求人費で1年に採用1名という状態でしたが、採用の仕組みを作り直したことで採用単価が約400万円/名から約70万円/名へ改善しました。本記事では、紹介への依存から抜け出す現実的な3ステップと、切り替えが向かない職種の見極め方を解説します。
1. まず、依存度を数字にする

「やめたい」という感覚を、判断できる数字に変えるところから始めます。直近1年の採用費を次の3つに分解してください。
- 人材紹介の手数料:採用1人ごとに発生した成功報酬の合計。
- 求人媒体の掲載費・広告費:媒体に実際に支払った費用。
- 社内工数:求人作成・応募対応・面接調整にかかった担当者の時間を人件費換算したもの。
紹介手数料は理論年収の約20〜35%が一般的で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です(出典:厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度 職種別手数料率)。職種別の手数料率は看護21.6%・保育24.3%・介護20.2%と公表されています。
この分解をすると、多くの会社で採用費の大半が紹介手数料に集中していることが見えます。そこが削減インパクトの最大点です。
2. ステップ1|媒体で採れる職種と、採れない職種を切り分ける

全職種を一度に切り替えるのは無理があります。まず「求人媒体で応募が見込める職種」と「そうでない職種」を分けてください。判断基準は母集団の大きさです。
| 区分 | 職種の例 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 媒体運用の射程に十分入る | 製造・工場・倉庫・物流・販売・飲食・サービス・保育・介護・建設の現場職(資格を必須としない職種を含む) | 自社側に寄せる。原稿とターゲットの設計で応募は作れる。 |
| 媒体では費用対効果が出にくい | 医師や1級施工管理技士など、有資格者の母集団が極小の職種 | 無理に切り替えず、紹介や他チャネルを併用する。 |
注意したいのは、この線引きを業種単位でやらないことです。たとえば建設業でも、1級施工管理技士は母数が薄い一方、資格を必須としない現場作業員・施工補助・重機オペレーターは媒体運用の射程に十分入ります。業種でなく職種で切り分けてください。
また、売り手市場で人材紹介が主流の職種(看護師・介護士など)は、媒体運用に構造的な難しさがあります。この場合は無理に紹介をゼロにせず、成果報酬型の求人サイトも含めて併用するのが現実的です。
3. ステップ2|自社で応募を集める土台を作る

切り分けた「媒体で採れる職種」について、応募を集める土台を作ります。主軸になるのは運用型の求人媒体です。
| 媒体 | 仕組み | 使いどころ |
|---|---|---|
| Indeed | 求人検索エンジン。掲載後も原稿・画像・予算をリアルタイムに調整できる運用型。有料掲載はクリック課金。 | 反応を見ながら原稿を差し替えられる。改善のサイクルを回す主軸になる。 |
| Airワーク 採用管理 | 無料で採用ページを作成・応募管理でき、公開するとGoogle・Yahoo!・Indeed等に自動連携される。 | まず無料で採用ページを整えられる。切り替えの初期段階に向く。 |
そのうえで、求人原稿を作り直します。求人の弱点は「給与や魅力が伝わっていない」ことよりも、「どんな人が自社に合うかを分解して言語化できていない」ことにあります。次の4点を書き切ってください。
- 合う人/合わない人を明示する。誰にでも当てはまる原稿をやめる。
- 仕事の中身を、1日の流れが想像できるレベルまで具体的に書く。
- 働き始めの不安(任される範囲・研修・繁忙の実態)を先回りで解消する。
- 現場の写真を10枚以上そろえ、トップ画像を「働く場所の魅力が伝わる1枚」に差し替える。
素材の提供量は成果を大きく左右します。コネクトの支援実績では、現場ヒアリングと職場写真が揃った案件が有料広告費 ¥50,000 で応募35件・1採用に至った一方、勤務地が出向先で素材が乏しかった案件は有料広告費 ¥250,000(5倍)を投じても採用に至りませんでした。
4. ステップ3|3〜6ヶ月は並走し、実績が出てから絞る
媒体側の採用実績が出る前に紹介を止めると、採用がゼロの期間が生まれます。並走期間を設けてください。
- 媒体運用を開始し、月次で応募数・面談数・採用数・採用単価を記録する。
- 3ヶ月時点で、媒体経由の採用が発生しているかを確認する。
- 発生していれば、紹介への依頼件数を職種単位で段階的に絞る。
- 発生していなければ、原稿・ターゲット・素材のどこが不足しているかを特定して直す。露出を増やす前に中身を疑う。
- 6ヶ月時点で、紹介経由と媒体経由の採用単価を並べて比較し、翌年の配分を決める。
この期間は採用費が一時的に増えます。ただし、切り替えが完了すれば以降は毎年の手数料が減り続けます。年3名を紹介で採用している会社なら、手数料だけで年180〜360万円規模です。並走期間の追加コストは、多くの場合1年以内に回収できます。
5. 年400万円規模で採用1名だった施設が変わった実例

ビフォーアフター:採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名(応募は月1件から2〜3件へ、運用累計で応募51件・採用3名)
| コネクトの支援先|四国地方の地方都市の介護施設(高介護度)/施設看護師・介護士(正社員) |
| Before(導入前):年400万円規模を求人にかけて1年で応募6件・採用1名。テレビCMに300万円を投じても、入社祝い金100万円のキャンペーンを打っても採用ゼロだった。地域の介護職の有効求人倍率は約3.6倍という売り手市場。 After(媒体運用の改善後):採用用LP・動画の制作と求人原稿の継続改善により、応募が月1件から2〜3件へ。運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。採用単価は約400万円/名から約70万円/名へ改善した。 |
成功したポイント
- 相場の1.5倍という給与水準(看護36.2万円〜/介護32.6万円〜)と、保育園完全無料という高待遇を可視化した。それまで伝わっていなかった強みを、求職者が判断できる形にした。
- 看護師と介護士で職種別にターゲットを設計し、それぞれの動機に合う訴求に分けた。
- 採用用LPと動画で、施設の雰囲気と働く人を見せきった。
さらなる伸び代としては、看護師・介護士とも売り手市場で人材紹介が主流という構造があります。求人媒体だけで質の高い人材を採り続けるのは構造的に難しく、成果報酬型の求人サイトの併用も含めて正直に切り分ける必要があります。紹介をゼロにするのではなく、比率を下げるという目標設定が現実的です。
6. 代替策は「課金タイミング」で選ぶ

紹介の代わりに外部の採用支援を使う場合、料金の総額より「いつ費用が発生するか」を先に確認してください。市場のサービスは大きく3つに分かれます。
| 課金タイミング | 内容 | 発注側から見た特徴 |
|---|---|---|
| 応募課金 | 応募が発生した時点で費用が発生する。求人用SNS運用型のサービスなどで近年増えている。 | 要件に合わない方の応募にも費用が発生し、費用対効果が読みにくい。 |
| 面談着座課金 | 書類選考を通過し、面談へ着座した時点で費用が発生する。 | 会う価値のある方に絞って費用が発生するため、質と費用対効果を両立しやすい。 |
| 採用課金 | 採用が決まった時点で費用が発生する。人材紹介で主流。 | 採用できなければ費用ゼロだが、1件あたりの単価が大きい。 |
あわせて、担う範囲も確認してください。採用代行は4つの類型に分かれ、費用と自社に残るノウハウが変わります。
| 類型 | 担う範囲 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 媒体運用型 | 求人媒体の原稿作成・運用(応募集めまで) | 費用を抑えやすく、採用ノウハウが自社に残る | 応募者対応・面談は自社で行う |
| 応募対応型 | 媒体運用+応募者への連絡・日程調整 | 採用担当の工数を大きく削減できる | 費用が上がる |
| 面談代行型 | 初回面談まで代行 | 採用業務をほぼ任せられる | 費用が高く、ノウハウが残りにくい |
| 人事コンサル型 | 採用戦略の設計や人事業務全般を支援 | 採用以外も含め体制を強化できる | 費用が最も高くなりやすい |
紹介から脱却したいなら、ノウハウが自社に残る媒体運用型が起点になります。コネクトは媒体運用型で、求人原稿の作成と媒体の運用で応募を集めるところまでを担い、応募者への対応・面談は御社に実施いただきます。なお法的には、職業紹介と異なり許認可を要しない採用支援という位置づけです。
まとめ
人材紹介への依存から抜け出す手順は次のとおりです。
- 依存度を数字にする:採用費を紹介手数料・媒体費・社内工数に分解し、紹介の比率を出す。
- 職種で切り分ける:業種でなく職種単位。母集団が大きい職種から自社に寄せる。
- 土台を作る:運用型の媒体を主軸に、合う人の明示・仕事の中身・不安の解消・写真の4点を書き切る。
- 3〜6ヶ月は並走する:媒体経由の採用実績が出てから、紹介の依頼件数を段階的に絞る。
- ゼロを目指さない:売り手市場で紹介が主流の職種は併用が現実的。比率を下げることを目標にする。
採用単価が約400万円/名から約70万円/名まで改善した実例があります。紹介をやめる第一歩は、解約の連絡ではなく採用費の分解です。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは「採れなければ費用ゼロ」の面談着座成果報酬で、紹介料に頼らない採用を支援します。求人原稿の作成から求人媒体(Indeed・Airワーク等)の運用まで、応募を集めるところまでを担当します(応募者への対応・面談は御社で実施いただきます)。初期費用・月額固定費はかかりません。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。まずは現在の採用費の内訳を一緒に見える化しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 人材紹介をすぐに全部やめても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。媒体側の採用実績が出る前に止めると、採用ゼロの期間が生まれます。3〜6ヶ月は並走し、媒体経由で採用が発生していることを確認してから、職種単位で依頼件数を段階的に絞ってください。
Q. どの職種から自社採用に切り替えるべきですか?
A. 母集団が大きい職種からです。製造・倉庫・物流・販売・飲食・サービス、そして建設や介護でも資格を必須としない職種は媒体運用の射程に十分入ります。逆に医師や1級施工管理技士のように有資格者の母数が極小の職種は、無理に切り替えず紹介を残す判断が現実的です。
Q. 切り替えの間、採用費は増えませんか?
A. 並走期間は一時的に増えます。ただし年3名を紹介で採用している場合、手数料だけで年180〜360万円規模です。媒体経由に切り替えられれば以降は毎年減り続けるため、並走期間の追加コストは多くの場合1年以内に回収できます。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設の現場職・販売・飲食・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくく向きません。ただし同じ業種でも、資格を必須としない現場作業員・施工補助・重機オペレーターなど母数のある職種は媒体運用の射程に十分入ります。