「1人採るたびに100万円近く消えていく」——人材紹介の請求書を見て、そう感じたことはないでしょうか。コネクトが支援した地方の介護施設では、年400万円規模の求人費をかけて採用1名という状態から、求人媒体の運用改善で採用単価を約400万円/名 → 約70万円/名まで引き下げた実績があります。本記事では、人材紹介の手数料相場を公的データで確認し、その内訳を分解したうえで、紹介に頼らずに採用単価を下げる代替策を解説します。
1. 人材紹介の手数料相場は「理論年収の20〜35%」

人材紹介(有料職業紹介)の手数料は、採用者の理論年収に料率を掛けて算出する「料率制」が一般的です。相場は理論年収の約20〜35%。上限に近い35%が提示されることもあり、この水準が「人材紹介は高い」と言われる理由になっています。
実際の料率は、厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度の職種別手数料率が参考になります(看護21.6%/保育24.3%/介護20.2%)。出典:厚生労働省 職種別手数料率(令和5年度)。
理論年収400万円の人材を料率30%で採用すれば手数料は120万円。中途採用では1人あたり60〜120万円が現実的なレンジになります。
| 前提 | 計算 | 手数料 |
|---|---|---|
| 理論年収300万円・料率20% | 300万 × 20% | 60万円 |
| 理論年収400万円・料率25% | 400万 × 25% | 100万円 |
| 理論年収400万円・料率30% | 400万 × 30% | 120万円 |
2. 「理論年収」に何が含まれるかで請求額は変わる
手数料の計算根拠になる「理論年収」の定義は、紹介会社ごとに差があります。ここを確認せずに契約すると、同じ料率でも請求額が数十万円単位で変わります。契約前に必ず確認したい論点は次の3つです。
- 理論年収に賞与・残業代・各種手当を含めるか(含めると料率が同じでも請求額は上がります)。
- 返金規定(早期退職時の返金率と対象期間)はどうなっているか。
- 同一人物を複数の紹介会社経由で選考した場合、どちらの成約になるか。
人材紹介は「決まった人材にだけ費用が発生する」という点で分かりやすい仕組みです。一方で、採用人数が増えるほど費用が線形に増え、採用ノウハウが社内に残らないという性質もあります。ここが、採用を継続的に行う企業にとっての悩みどころです。
3. 採用チャネル別に見た「1人あたりのコスト」

人材紹介が高いかどうかは、他のチャネルと並べて初めて判断できます。チャネルと母集団の性質が違うので、単純比較ではなく「性質の違い」として見てください。
| チャネル | 1人あたりの目安 | 性質 |
|---|---|---|
| 公的平均(厚労省・令和5年度) | 看護63.9万/保育64.6万/介護55.1万 | パート込みの混在・全国平均 |
| 人材紹介エージェント(常勤ベース) | 看護・保育80〜100万/介護89万(常勤・一次未確認) | 理論年収の約20〜35% |
| 求人広告のみの中途採用 | 約31.2万円(マイナビ調査) | 自社で応募を集める前提 |
中途採用全体の1人あたり採用単価は103.3万円というデータもあります(就職白書2020)。紹介経由の比率が高いほど、この平均値は押し上げられます。
4. 手数料が高いと感じたときの代替策

人材紹介をゼロにする必要はありません。母集団の薄い専門職は紹介が有効な場面もあります。現実的なのは「媒体で採れる職種を自社側に寄せ、紹介への依存度を下げる」ことです。打ち手は次の4つです。
- 職種別に採用単価を出し、紹介比率の高い職種を特定する。
- 母集団が一定ある職種(介護・保育・ドライバー・飲食・製造・販売・建設の現場系など)は、求人媒体での採用に切り替える。
- 求人原稿を「どんな人が自社に合うか」から作り直す(給与を上げる前にやるべきことです)。
- 紹介は、母集団が極小の職種(医師・1級施工管理技士など)に絞って併用する。
求人媒体の主役になるのが、求人検索エンジンのIndeedと、無料で採用ページを作れるAirワーク 採用管理です。Indeedの有料掲載はクリック課金なので、同じ予算でも原稿の質しだいで応募数が大きく変わります。「かける額」ではなく「かけ方」を変えることでコストが下がる、というのが媒体運用の本質です。
5. 実際に紹介依存を下げた支援事例

ビフォーアフター:採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名
| コネクトの支援先:四国地方の地方都市の介護施設(施設看護師・介護士/正社員) |
| Before(導入前):年400万円規模の求人費で応募6件・採用1名。テレビCM300万円・お祝い金100万円を投じても採用ゼロ。地域の介護の有効求人倍率は約3.6倍という売り手市場。 After(媒体運用の改善後):採用LP・動画・求人原稿を作り直し、Indeedを運用。応募が月1件から月2〜3件へ継続発生し、運用累計で応募51件(媒体への広告費 ¥2,111,827/応募単価 ¥46,929)、採用3名。 |
この施設は「相場の1.5倍の給与」「保育園完全無料」という強い条件を持ちながら、それが求職者に伝わっていませんでした。
成功したポイント
- 高待遇(看護36.2万円〜/介護32.6万円〜・保育園完全無料)を、求職者が一目で分かる形に可視化した。
- 看護師と介護士でターゲットを分け、それぞれに刺さる原稿を作り分けた。
- 採用LPと動画で、施設の中身と働く人の様子を見せきった。
さらなる伸び代:介護は売り手市場かつ人材紹介が主流の領域で、媒体運用だけで全ての採用枠を埋めきるのは簡単ではありません。この施設でも、採用3名のうち2名は早期離職しています。媒体運用と成果報酬型の求人サイトを併用し、あわせて定着施策(受け入れ体制・評価制度)まで踏み込めば、まだ伸ばせる余地があります。
まとめ
人材紹介の手数料相場と、高いと感じたときの打ち手を整理します。
- 相場は理論年収の20〜35%:中途採用で1人あたり60〜120万円が目安(厚労省 令和5年度:看護21.6%/保育24.3%/介護20.2%)。
- 理論年収の定義を確認する:賞与・手当を含むかで請求額は大きく変わる。返金規定もあわせて確認。
- 紹介をゼロにしなくてよい:母集団が極小の職種は紹介、母集団のある職種は媒体、と使い分ける。
- 媒体は「かける額」より「かけ方」:求人原稿とターゲット設計の作り直しが、採用単価を最も動かす。
支援事例のとおり、紹介に頼らない採用の型ができれば、採用単価は桁が変わることがあります。まずは自社の職種別採用単価を出すところから始めてください。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは求人媒体の運用代行(応募を集めるところまで)を担い、面談着座1件あたりの成果報酬でご請求します。初期費用・月額固定費はゼロ、費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。応募者への連絡・面談は貴社で実施いただくため、採用ノウハウが自社に残ります。まずは現在の採用単価を一緒に見える化しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 人材紹介の手数料相場はいくらですか?
A. 理論年収の約20〜35%が相場です。中途採用では1人あたり60〜120万円が目安になります。厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度の職種別手数料率では、看護21.6%・保育24.3%・介護20.2%と報告されています。
Q. 手数料の交渉はできますか?
A. 料率そのものの交渉余地は限定的なことが多い一方、理論年収の算定方法(賞与・手当を含めるか)や返金規定は契約前の確認・調整の対象になります。契約書の該当条項を必ず確認してください。
Q. 人材紹介を使わずに採用できますか?
A. 母集団が一定ある職種(介護・保育・ドライバー・飲食・製造・販売・建設の現場系など)であれば、求人媒体の運用で応募を集める方法が現実的です。逆に医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は、媒体運用では費用対効果が出にくくなります。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。