「人が足りない。派遣を入れるべきか、紹介会社に頼むべきか」——判断に迷ったまま、とりあえず費用の安い方を選んでしまうケースは少なくありません。ところがこの2つは、費用の多寡以前に「誰が雇うのか」という契約の形そのものが違います。コネクトの支援先には、人材紹介が主流の介護領域で、年間400万円規模をかけて採用1名(採用単価 約400万円/名)だった状態から、求人媒体の運用に切り替えて採用単価 約70万円/名まで改善した事例があります。本記事では、人材派遣と人材紹介の違いを契約・費用・使い分けの観点から整理したうえで、第3の選択肢である自社採用をどう位置づけるかを解説します。
1. 人材派遣と人材紹介の違いを一枚で整理する

最も大きな違いは、働く人と自社の間に雇用契約があるかどうかです。ここが違うと、指揮命令の可否も、費用の発生の仕方も変わります。
| 項目 | 人材派遣 | 人材紹介 | 自社採用(求人媒体の運用) |
|---|---|---|---|
| 雇用契約 | 派遣会社と本人の間。自社とは雇用関係を結ばない。 | 自社と本人が直接雇用契約を結ぶ。 | 自社と本人が直接雇用契約を結ぶ。 |
| 指揮命令 | 自社が業務上の指示を出せる。 | 自社の従業員として通常どおり指示できる。 | 自社の従業員として通常どおり指示できる。 |
| 費用の形 | 就業時間に応じた時間単価を継続的に支払う。 | 採用決定時に紹介手数料が一括で発生するのが主流。 | 求人媒体への広告費(+運用を委託する場合はその費用)。 |
| 費用が止まるタイミング | 契約終了まで発生し続ける。 | 支払いは原則1回。以後は自社の人件費のみ。 | 掲載を止めれば広告費は止まる。 |
| 向いている場面 | 繁忙期対応・欠員の一時補填・業務量の変動が大きい部署。 | 急ぎで即戦力が要る・母集団が極端に薄い専門職。 | 継続的に採用が必要・採用ノウハウを自社に残したい。 |
人材派遣は「人手を借りる」仕組み、人材紹介は「人を採る(採用の入口を外注する)」仕組みです。したがって、恒常的に人が足りない状態を派遣で埋め続けると、費用は止まらないまま社内に人材も採用ノウハウも残りません。
2. 費用の考え方が根本的に違う

派遣は「使った時間ぶんの継続費用」、紹介は「採用が決まったときの一括費用」です。比較するときは、この時間軸の違いを揃えて考える必要があります。
人材紹介の手数料は、一般に理論年収の20〜35%が相場で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です。職種別の手数料率は、厚生労働省の統計で看護21.6%・保育24.3%・介護20.2%と報告されています(出典:厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度 職種別手数料率)。
一方、公的統計で見た1人あたりの採用コスト(令和5年度)は、看護師63.9万円・保育士64.6万円・介護福祉士55.1万円です。これはパート採用も含む全国の混在値なので、人材紹介の相場と単純比較はできませんが、「紹介を使うと1人あたりの採用費が相場の上側に寄る」構造は読み取れます。
参考までに、中途採用単価の平均は103.3万円(就職白書2020/doda 中途採用単価)、求人広告のみで採用した場合の中途採用単価は約31.2万円と報告されています。チャネルを変えるだけで、1人あたりの採用費は数倍の幅で動きます。
3. 課金のタイミングで費用対効果は変わる
採用支援サービスの成果報酬は、課金されるタイミングが3つに分かれます。ここを見落とすと「成果報酬だから安全」と思って契約し、期待と違う請求が来ることになります。
| 課金タイミング | 仕組み | 発注側から見た注意点 |
|---|---|---|
| 応募課金 | 応募が発生した時点で費用が発生する。近年は求人用SNS運用などで増えている。 | 要件に合わない方の応募にも費用が発生するため、費用対効果が読みにくい。 |
| 面談着座課金 | 書類選考を通過した候補者が面談に着座した時点で費用が発生する。 | 応募の量ではなく「会うに値する人に会えたか」で費用が決まる。 |
| 採用課金 | 採用が決定した時点で費用が発生する。人材紹介はこの形が主流。 | 確実性は高いが、1件あたりの金額が最も大きくなりやすい。 |
応募課金は一見わかりやすい仕組みですが、要件に合わない方の応募にも費用が発生するため、支払った額と採用成果が結びつきにくくなります。コネクトが面談着座での成果報酬という料金体系を採っているのは、応募の質と費用対効果を両立させるためです。
4. 紹介が主流の職種でも、自社採用は成立するのか

「うちの職種は紹介会社経由でしか動かない」と言われる領域でも、求人媒体の運用で採用単価が下がることがあります。
ビフォーアフター:採用単価 約400万円/名 → 約70万円/名(有料広告費用ベース・運用累計)。
| コネクトの支援先|四国地方の地方都市の介護施設(高介護度)/施設看護師・介護士(正社員) |
| Before(導入前):年間400万円規模を求人に投下しても1年で応募6件・採用1名。テレビCM300万円・入社祝い金100万円のキャンペーンを打っても採用ゼロ。当該地域の介護職の有効求人倍率は約3.6倍で、求職者の多くが人材紹介会社経由で動く市場だった。 After(媒体運用の改善後):採用LP・動画の制作と原稿の継続改善により、応募が月1件から月2〜3件へ。運用累計で応募51件(有料広告費用¥2,111,827・応募単価¥46,929)、採用3名(うち1名が定着)。有料広告費用ベースの採用単価は約70万円/名。 |
成功したポイントは次の3つです。
- もともと手厚かった待遇(看護師 月給36.2万円〜=当該地域の介護施設看護師相場の約1.5倍、介護士 月給32.6万円〜、提携保育園が完全無料)を、画像と原稿で一目で伝わる形に可視化した。良い条件は、あるだけでは応募になりません。
- 看護師には「介護施設で看護師として働くとは何か」を具体的に描き、検討段階での離脱を防いだ。
- 介護士には「大手施設の流れ作業ではない、丁寧に向き合える介護 × 高い給与」という対比で、質の高い層に動機づけた。
一方で、看護師・介護士はともに売り手市場かつ人材紹介が主流のため、媒体経由で質の高い人材を費用対効果高く取り続けるには構造的な難しさがあります。定着も課題として残っており、処遇・受け入れ体制まで踏み込めればさらなる伸び代がある段階です。
即戦力を確実に採りたい場合は、ジョブメドレーやカイゴジョブといった成果報酬型の専門媒体を併用したほうが良いケースもあります。媒体運用が合うか合わないかは、無理に寄せず正直に切り分けるべきところです。
5. 派遣・紹介・自社採用の使い分け

- 欠員が一時的か恒常的かを分ける。繁忙期・産休代替など期間が読める欠員は派遣が適する。
- 恒常的に人が足りないなら、費用が止まらない派遣で埋め続けない。直接雇用に切り替える前提で設計する。
- 急ぎで即戦力が要る、あるいは母集団が極端に薄い専門職は人材紹介を使う。金額は理論年収の20〜35%が目安。
- 継続的に採用が必要な職種は、求人媒体の運用を自社の採用チャネルとして育てる。掲載を止めれば費用も止まり、ノウハウは社内に残る。
- 1年に一度、職種ごとに「チャネル別の1人あたり採用単価」を出して比較する。感覚ではなく単価で意思決定する。
まとめ
人材派遣と人材紹介の違いは、次のように整理できます。
- 契約の形が違う:派遣は自社と雇用関係がなく、紹介は自社が直接雇用する。
- 費用の時間軸が違う:派遣は就業中ずっと発生し、紹介は採用決定時に一括で発生する。
- 紹介手数料は理論年収の20〜35%:中途採用では1人あたり60〜120万円が目安(厚生労働省統計)。
- 課金タイミングで費用対効果が変わる:応募課金・面談着座課金・採用課金の3つを区別して比較する。
- 恒常的な不足には自社採用を育てる:紹介主流の介護領域でも、媒体運用で採用単価が約400万円/名から約70万円/名まで改善した実績がある。
派遣か紹介かの二択で考えると、費用は下がりません。「一時的な欠員は派遣、急ぎの専門職は紹介、恒常的な採用は自社のチャネル」と役割を分けたうえで、職種ごとの採用単価で毎年見直すのが現実的な進め方です。
人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。
ジョブコネクトは、求人媒体の運用代行で応募を集めるところまでを担う採用支援です(応募者への連絡・面談はお客様側で実施いただきます)。費用は「採れなければ費用ゼロ」の面談着座成果報酬で、面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。初期費用・月額固定費はかかりません。まずは職種別の採用単価を一緒に見える化しましょう。(参考:完全成果報酬の採用支援サービス)
よくある質問(FAQ)
Q. 人材派遣と人材紹介、費用が安いのはどちらですか?
A. 期間によって逆転します。人材派遣は就業時間に応じて継続的に費用が発生するため、長く働いてもらうほど総額は膨らみます。人材紹介は採用決定時に理論年収の20〜35%(中途で60〜120万円が目安)が一括で発生しますが、支払いは原則1回です。半年以上の恒常的な人手不足であれば、直接雇用を前提に考えたほうが総額は抑えやすくなります。
Q. 人材紹介の手数料の相場はいくらですか?
A. 理論年収の20〜35%が一般的で、中途採用では1人あたり60〜120万円が目安です。職種別の手数料率は厚生労働省『職業紹介事業報告』令和5年度で看護21.6%・保育24.3%・介護20.2%と報告されています。
Q. 派遣から直接雇用に切り替えることはできますか?
A. 契約内容によって扱いが異なるため、派遣元との契約条件をご確認ください。切り替えを検討する場合は、同時に自社で応募を集めるチャネル(求人媒体の運用)を並行して立ち上げておくと、欠員が出たときに派遣へ戻らずに済みます。
Q. 自社の業種でも効果は出ますか?
A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。