セラピストの採用が難しい理由と、応募を増やす対策

セラピストの採用が難しい理由と、応募を増やす対策

求人を出しても1件も応募が来ない。セラピストの採用では、これが珍しくありません。コネクトが支援した西日本のリラクゼーション店も同じ状態でした。年間約40万円の広告費をかけても応募ゼロ・採用ゼロ。そこから原稿の設計を変え、約1.5年の継続支援を通じて応募が継続的に発生し、見学は累計10件以上、採用3名(うち1名が定着)まで動きました。本記事では、セラピストの採用が難しい理由を構造から整理したうえで、母数の薄い市場でも応募を作る対策を解説します。

1. セラピストの採用が難しい3つの構造

1. セラピストの採用が難しい3つの構造
  1. 雇用形態が応募のハードルになっている。業務委託・完全歩合での募集は、固定給をもらう働き方と違い、自分の腕一本で稼ぐことに踏み出せる人が求職者全体の中で限られます。募集要件の前に、雇用形態の時点で母数が絞られています。
  2. 地域によって母数がさらに薄くなる。人口規模の小さい地域では、その限られた層がさらに少なくなります。都市部と同じ感覚で募集をかけても反応が出ないのは、運用ではなく市場の問題です。
  3. 「マッサージ」の一言では中身が伝わらない。同じセラピストでも、施術内容・1日の流れ・技術の習得方法は店ごとにまったく違います。ここが書かれていないと、求職者は入社後を想像できません。

このうち3つ目は求人の作り方で直接変えられます。1つ目と2つ目は前提条件であり、まずは自店がどの土俵で戦っているかを把握するところから始まります。

2. 雇用形態で、集められる母数は変わる

2. 雇用形態で、集められる母数は変わる

セラピストの募集では、雇用形態の選択が応募数に直結します。まずここを整理しておくと、打ち手が決めやすくなります。

雇用形態応募の集まり方設計のポイント
正社員・パート(固定給あり)母数は比較的広い。収入が読めるため踏み出しやすい任される範囲・研修体制・シフトの実態を具体的に書く
業務委託・歩合併用母数は中間。固定部分があることで不安が下がる歩合の計算方法と、固定部分との組み合わせを明示する
業務委託・完全歩合母数が最も限られる。踏み出せる人が少ない「本当に稼げるのか」に数字で答えることが最優先

完全歩合で募集する場合、応募が集まらないのは訴求の問題より前に、そもそも踏み出せる人が少ないという構造があります。だからこそ、その少ない層に確実に届く設計が必要になります。

なお、国家資格が必要な施術(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうなど)と、資格を必須としないリラクゼーション領域では、募集できる母集団の大きさが変わります。資格必須の職種で反応が出ない場合でも、資格を必須としないリラクゼーションセラピスト・整体スタッフの募集は母数があり、媒体運用の射程に十分入ります。 「この職種で採れない=この業種では無理」と結論づける前に、募集する職種の切り分けを見直す価値があります。

3. 【事例】応募ゼロの状態から、採用3名へ

3. 【事例】応募ゼロの状態から、採用3名へ

コネクトの支援先の事例です(社名は非開示)。

ビフォーアフター:年間約40万円の広告費で応募ゼロ・採用ゼロ → 同程度の広告費の枠内で応募が継続発生、見学累計10件以上、採用3名(うち1名が定着)

西日本の地方都市のリラクゼーション・マッサージ店(2店舗)/セラピスト(業務委託・完全歩合制)
Before(導入前):年間約40万円の広告費をかけても応募が1件も来ず、採用もゼロ。業務委託・完全歩合という条件が応募のハードルを上げ、求職者が一歩を踏み出せていなかった。どんな施術をするのか・どう稼げるのか・技術をどう身につけるのかが伝わっていなかった。

After(媒体運用の改善後):原稿の継続改善により応募が継続的に発生する状態になり、約1.5年の支援を通じて見学(面談・体験)が累計10件以上、採用3名に至った(うち1名が定着して継続勤務中)。

成功したポイントは次の4点です。

  1. 完全歩合の最大の不安「ちゃんと稼げるのか」を、歩合率65%という水準、控えめな試算でも月収30万円以上が見込めること、指名率の高さが予約と収入の安定につながることを、原稿の冒頭で具体的な数字とともに示して先回りで解消した。
  2. 業務委託を「不安定な働き方」ではなく「AI時代に手に職をつけて自分で稼ぐ働き方」と意味づけ直し、求職者が前向きに一歩を踏み出せる文脈をつくった。
  3. どんな施術を行うのか、1日のタイムスケジュールはどう流れるのか、未経験から技術をどう身につけていくのかを具体的に描き、入社後の自分を想像できるようにした。
  4. 歩合率・指名率・通いやすい立地といった強みを、他店と比べて一目で分かる形で前面に出し、比較検討の中で選ばれるポジションを取りにいった。あわせて夜間勤務可の人・ダブルワーク希望者にもターゲットを広げた。

広告費を増やしたわけではありません。同程度の枠内で、伝え方を変えただけで応募ゼロの状態を脱しています。

4. さらなる伸び代:母数と定着という前提

4. さらなる伸び代:母数と定着という前提

この事例には、原稿の作り込みだけでは動かせない部分も残っています。誠実にお伝えします。

  • 母数の薄さ:業務委託に踏み出せる人が少なく、地方でさらに薄いという構造は、原稿では変えられません。応募・採用が大きく増えることは難しく、ここは雇用形態や勤務エリアの設計まで踏み込むことで伸ばせる余地があります。
  • 定着の課題:採用3名のうち2名は早期に離職しています。完全歩合は軌道に乗るまでの収入が不安定になりやすく、向き不向きも出ます。入口(応募・採用)は見せ方で改善できますが、定着は報酬設計や受け入れ体制といった原稿の外側の要素に依存します。

つまり、見せ方は応募の天井を引き上げますが、天井の高さ自体は雇用形態・市場の母数・報酬設計で決まります。 応募を作ったうえで、固定給や保証制度の導入、研修期間中の収入補填といった条件面まで見直せれば、応募も定着もさらに伸ばせる余地があります。

5. 応募を増やすための対策

5. 応募を増やすための対策
  1. 募集する雇用形態を見直す。完全歩合しか選択肢が無いか、固定部分を設けられないかを検討する。
  2. 資格必須の職種と資格不問の職種を分け、それぞれ別の求人として出す。
  3. 「本当に稼げるのか」に数字で答える。歩合率、控えめな試算での月収、指名率と予約の安定を書く。
  4. 施術内容と1日のタイムスケジュールを具体的に書き、入社後を想像できるようにする。
  5. 未経験から技術をどう身につけるのか、その道筋を書く。
  6. 他店と比較されることを前提に、歩合率・立地・研修といった違いを一目で分かる形にする。
  7. 夜間勤務可の方やダブルワーク希望者など、これまで想定していなかった層にもターゲットを広げる。

まとめ

セラピストの採用が難しい理由と、その打ち手は次のとおりです。

  • 雇用形態が母数を決める:完全歩合は踏み出せる人が限られる。募集要件の前に、ここが最も母数を絞っている。
  • 地域で母数がさらに変わる:人口規模の小さい地域では、限られた層がさらに薄くなる。
  • 職種を切り分ける:国家資格が必要な施術と、資格不問のリラクゼーション領域では母集団が違う。別の求人として出す。
  • 「稼げるのか」に数字で答える:歩合率・月収試算・指名率。完全歩合の募集では最優先。
  • 中身を可視化する:施術内容・1日の流れ・技術習得の道筋を書き、入社後を想像できるようにする。
  • 伸び代は条件面にある:固定部分の導入や研修期間中の補填まで踏み込めば、応募も定着も伸ばせる。

年40万円かけて応募ゼロだった状態から、広告費を増やさずに採用3名まで動いた事例があります。母数の薄い市場ほど、少ない対象に確実に届く設計が効きます。

人材紹介の60〜120万を、面談着座8万に。

ジョブコネクトは、求人媒体の原稿制作と運用を代行し、応募を集めるところまでを担う採用支援です。応募者への対応・面談は御社で実施していただき、面談に着座した時点で費用が発生します。初期費用・月額固定費はかかりません。費用は面談着座1件あたりパート3万円/正社員8万円から。まずは現在の求人がどの段階で止まっているかを一緒に確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 業務委託・完全歩合だと応募は集まりませんか?

A. 母数は限られますが、応募を作ることは可能です。コネクトの支援事例では、年間約40万円の広告費をかけても応募ゼロだった店舗が、歩合率65%・控えめな試算でも月収30万円以上・指名率の高さという数字を先に示すことで応募が継続発生する状態になり、採用3名に至りました。「本当に稼げるのか」に数字で答えられるかが分かれ目です。

Q. 地方でセラピストを採用するのは無理でしょうか?

A. 難しさはありますが無理ではありません。人口規模の小さい地域では母数が薄くなるため、都市部と同じ感覚では反応が出にくくなります。その分、夜間勤務可の方やダブルワーク希望者へターゲットを広げる、資格不問の職種を別途募集するなど、対象そのものを設計し直すことが有効です。

Q. 採用しても定着しません。求人で改善できますか?

A. 入口の精度は上げられますが、定着そのものは報酬設計や受け入れ体制に依存します。完全歩合は軌道に乗るまでの収入が不安定になりやすく、向き不向きも出ます。求人側では、収入の立ち上がり方や研修期間の過ごし方を正直に書いてギャップを減らすこと、店舗側では固定部分の導入や研修期間中の補填を検討することが、それぞれの打ち手になります。

Q. 自社の業種でも効果は出ますか?

A. 応募の母集団が一定ある職種(製造・保育・建設・販売・サービスなど)であれば、求人媒体の運用改善で応募増・コスト削減が見込めます。一方、医師や1級施工管理技士のように母集団が極小の職種は媒体運用では費用対効果が出にくいため向きません。(参考:成果報酬型で「応募が来ない」を変える採用の考え方

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